ライフ / 生活

Vol.03

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氷は真っ白なキャンバスであって、そこに自由に表現ができる

2015年夏、奈良で起こった「かき氷ブーム」。その中心となったのが、もちいどのセンター街「夢CUBE」(※1)にあるかき氷とお茶の専門店「ほうせき箱」です。オーナーの岡田さんは、小西さくら通り商店街にある「おちゃのこ」から、2015年の春にこの店をオープンさせました。

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―最初は「おちゃっちゃ」(※2)でお茶が主でしたよね。最初からお茶を売ろうと思ってたんですか?

学生時代に日本文化にはまって、卒業後は着物屋さんに勤めて着物を売ってました。楽しくって、アドレナリン出して営業してました。結婚して着物屋さんをやめてからもいろいろ働いていたんですけど、やっぱり営業がしたいなと。それも会社の名前で売るのではなく「自分で見つけてきた商品を自分で売るにはどうすればいいか」ということに興味がありまして、そんなときに「擂茶(れいちゃ)」に出会ったんです。これは日本にはまだ無いし、どうやったら広げられるかやってみましょうと。それで卸をやってみたり、試飲販売させていただいたり、和菓子屋さんで材料として使ってもらおうとしたり、イベントを企画してみたりしました。

そんな時に「夢CUBEってのをつくるんやけど」という話をお聞きしました。3年限定だったので、そのくらいやったらお店に集中してやってみてもいいかなと思い、応募して場所を与えていただきました。で、「擂茶」を売るのに夏場はやっぱりかき氷かなと、お茶を売るために「くるみもち入り擂茶氷」ってのを始めて、そこからかき氷にはまりました。

擂茶から始めた氷がだんだん楽しくなってきて。氷は真っ白なキャンバスであって、そこに自由に表現ができる。自分が皆さんに知っていただきたいものを思いを込めて自由に作れる。そんなところがいいなあと。氷も擂茶もそうなんですけど、まず「どうやったら世の中に知られていないものを広められるのか?」っていうのがあって、その上で「食の勉強がしたいな」とか漠然と思ってる時に出会いがあって。たまたまご紹介いただいたご縁とかの中で、「ピピッ」とアンテナに引っかかったらそっちに流れていく感じです。

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―そんなご縁ってどうやって捕まえてるんですか?

知り合ったきっかけはSNSが大きいですね。フェイスブックで知り合った世界ってのはすごく大きい。知らない人と友達になったりはしないんですが、ご紹介いただいたりフェイスブック見てますってお店に来ていただいたり。高校の先輩後輩にすごく助けてもらってて、そのつながりもフェイスブックだったんです。異業種交流会とかは人見知りするから全然いかない。お店を始める前に富雄のコミュニティカフェみたいなところのオープンを任せていただいたのですが、それはブログでのつながりでしたし、マスコミとかの取材もフェイスブックでつながった母校の先輩がらみがすごく多いです。いろんなご縁で周りに助けていただいています。

―そして氷室神社(※3)さんとのご縁で「ひむろしらゆき祭」(※4)ができたんですね。

東京で行われている「かき氷コレクション」というイベントを関西でやりたいという相談を受けた時に「奈良でしよう!」って言ってたんですけど、結局、神戸での開催に決まったんです。でもやっぱり奈良でもやりたいよねって話していたんです。当時、東京の方でかき氷ブームがすごく盛り上がってて、この後、西に来るのは目に見えてたんですけど、このままほっといたら絶対ほかに持ってかれる。どうしても「奈良=かき氷」ということを伝えて、東のファンを西に連れてきたい。そしたら「ひむろしらゆき祭」というお祭りをやってかき氷を奈良から盛り上げていきましょう、ということになったんです。

氷室神社に5月の「献氷祭(※5)」の時に参拝に行ってご挨拶をして、「かき氷のお祭りをやりたいんです」とお話したら「やりましょう」と宮司さんがお話に乗ってくださったんです。それからご紹介をいただいたコピーライターさんに広報の仕方やイメージ作りのアドバイスを受けました。「もっと崇高なイメージを」とか「聖地じゃないといけない」とか言われつつ作り上げたのが第1回になります。5月に氷室さんにお話しして8月に開催。あれよあれよという間でしたね。

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―今年の夏は奈良でもあちこちのお店がかき氷を出していました。これからの「かき氷」をどうしていきたいですか?

「ほうせき箱」は氷の発信拠点として、「どのように氷を広めていけるか」を深めさせていただく場所と考えています。できれば東京オリンピックの年には、海外のお客様が「shaved ice」ではなく「kakigori(かき氷)」って言って奈良を目指していただけるぐらいに、奈良のかき氷が認知されたらいいなと思っています。

 

(※1)「夢CUBE」 もちいどのセンター街にある、商店街が開設した物販・飲食分野のインキュベーション施設。入居は3年を限度とし、2016年7月時点で3期目が入居中。
(※2)「おちゃっちゃ」 夢CUBE第1期で入居したお茶の専門店。夢CUBE卒業後、近くの小西さくら通り商店街に「おちゃのこ」として開店した。
(※3)「氷室神社」 奈良公園内、国立博物館向かいにある神社。枝垂桜が有名だが、最近は氷の神様として、東京など遠方から氷にまつわる業者やかき氷関係者が参拝している。
(※4)「ひむろしらゆき祭」 氷室神社で行われているかき氷の祭典。奈良はもちろん、各地のかき氷が集まるため、遠方からもかき氷ファンを引き付けている。
(※5)「献氷祭」 春日山のふもとに、氷室(氷の貯蔵所)を設けて神を祭ったことに由来する伝統行事。全国の製氷販売業者・氷売り業者が参列する。

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